タイ税制の概要
タイ税制の概要
  • 税金の種類
    税金は国税と地方税に分けられますが、タイにおいて歳入のほとんどを占めているのは国税です。したがってここでは国税、その中でも法人所得税、個人所得税、付加価値税に重点をおいて説明します。その他の税目については、概要のみについて記載いたします。

    以下がタイの税金の全体像です。
    ①法人所得税 (Corporate Income Tax, CIT)
    タイ国内法により設立された法人及びパートナーシップ並びに外国法に基づき設立された法人及びパートナーシップでタイ国内で事業を行う者は、法人所得税の納税義務を負います。法人所得税額は、タイ会計基準に準拠して計算された税引前利益を基礎として税務調整を経て課税所得が計算された上で、所定の税率(通常30%)を乗じて算出されます。申告・納付は、中間申告・年度申告の年2回です。また源泉徴収制度があり、利子・配当所得等、源泉徴収対象所得については所得の支払者側に月次の納税義務が課せられています。
    ②個人所得税 (Personal Income Tax, PIT)
    個人所得税の納税者は個人並びに法人格を有しないパートナーシップ及びその他の団体であり、居住者・非居住者に区分され、それぞれ課税範囲が異なっています。個人所得税額は総所得から各種の所得控除を差し引いて課税所得を算出し、それに所定の税率(0%~37%の累進税率)を乗じて計算されます。給与所得については、雇用者に毎月の源泉徴収とその申告納税が義務付けられ、各従業員は雇用者より発行された源泉徴収証明書、その他必要情報とともに毎年3月末までに確定申告を行います。
    ③付加価値税 (Value Added Tax, VAT)
    付加価値税(VAT)は生産と流通の各段階で創生された付加価値を課税対象とする間接税であり、最終的な負担者は物品やサービスを利用する最終消費者です。各事業者は物品販売やサービス提供の対価にVATを加算して顧客に請求し、受領したVATから仕入や経費支払に際して支払ったVATを控除した差額について、毎月申告納付します。国外への物品販売・サービス提供、および銀行業等の特定事業税対象取引についてはVAT対象外となります。
    ④その他の国税
    • 歳入局管轄の税金
      • 石油所得税 (Petroleum Income Tax)
        石油・天然ガスの採掘者に課される税金です。
      • 特定事業税 (Specific Business Tax)
        銀行業・生命保険業等の特定の事業に関する取引を対象とする税。特定事業税対象取引はVAT対象外取引となります。
    • 物品税局管轄の税金
      • 物品税 (Excise Tax)
        自動車、電気製品等の奢侈品に課される税金。
    • 関税局管轄の税金
      • 輸出入関税 (Custom Duties)
        輸出入の通関時に課される税金。課税価格に関税分類別の関税率を乗じて計算されます。
    ⑤地方税
    • 土地・家屋税 (House & Land Tax)
      土地・建物の所有者に課される税金(所有者の居住用を除く)。税額は年間賃料相当額×12.5%。
    • 地方開発税 (Local Development Tax)
      土地家屋税の課税対象を除く土地所有者に課される税金。税額は土地評価額×税率。
    • 看板税 (Signboard Tax)
      営利目的で使用されている会社名、商号等が記載された看板の所有者に課される税金。税額は看板面積×税率

  • 税法体系
    歳入法(Revenue Code)が所得税(法人・個人)、付加価値税、特定事業税、印紙税についての一般法です。さらに歳入法の特別規定として、歳入法が定める課税の減免を定める事を主な目的とした内閣により発行される勅令 (Royal Decree)、歳入法の規定の細則を定めた財務省令(Ministerial Regulation)及び財務省告示(Ministerial Notification)、歳入法により委任された事項について定める歳入局長官告示(Notification of the Director General of Revenue)及び歳入局規則(Departmental Regulation)、租税委員会への不服申立て案件について委員会が示した公式見解である租税委員会公式見解(Board of Taxation’s Rulings)があり、これらは法令として国民に対する強制力を持っています。
    さらに、法令ではなく納税者に対する直接の強制力はありませんが、税務行政執行のガイドラインとして、歳入局通達(Departmental Instruction)・歳入局告示(Departmental Notification)があり、重要な解釈上の指針となっています。